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 【暮らしとお金のアドバイザー】
  ライブリフッド プランニング メルマガニュース
                 (2008年8月号)
       (本メールはメルマガ登録の方に配信しております。)
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 毎日、暑いですね。こう暑いとなんか、ご飯を食べるのも面倒くさくなってきます。そうめん、
 ざるそば、冷やしパスタ。俺、こんなに麺類好きだったか、みたいな。
 皆様、バランスの良い食事をとって、お体には十分ご留意くださいませ。
 さて今日は私の得意分野の投資信託(ファンド)のお話しです。中でも、銀行や証券会社が
 ダイレクトメール送ってくる投資についてなんていう薄っぺらい内容ではなく、もっと深い
 深〜いお話しです。
 
  ●ファンドあれこれ、企業の資金調達について
  ●定期預金が利息7%だった頃
  ●だからファンド
  ●でもファンド
  ●リスクを具体的に数字にできる人
  ●「私に似合う服ください」
  
  
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●ファンドあれこれ、企業の資金調達について
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 地球環境ファンドとか、水資源ファンドとか、グローバル農業ファンドとか、もういろんなファ
ンドが出てきています。ま、いろんなファンドがありますが、正直、ここ2年間のファンドは何を
買っていても、下がっていると思います。上がっているモノはごくごく一部。
 
 鹿児島銀行が、地元の農業系企業に出資するための農業ファンドを立ち上げました。これはなか
なか面白いと思います。過去面白いファンドとしては、2005年頃、映画ファンドというものがあり
ました。「忍−SHINOBI」「北斗の拳」などが一般個人から出資金を集めて収益を分配するという
私募ファンドの形で資金調達をしたことがあります。(※1)
この他にも、ラブホテルファンドなんてのもあります。(※2)
 
 
 企業が何か事業のためにお金を用意しようとすると大きく分けて3つあります。
 
  (1)銀行や公庫からの融資・・・借金(間接融資)
  (2)債券発行・・・借金(直接融資)
  (3)株式発行・・・資本金を増やす、増資とか

この3種類です。過去、主力は(1)でありました。
  
  ※1 映画ファンド:どれも興行収入が低く、収益は出なかった模様です。
  ※2 ラブホテルファンド:HOPEαシリーズが有名。現在10期。当初8%の予想利回りが
    半減の4%となっていますが、なかなか良い成績をおさめているようです。

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●定期預金が利息7%だった頃
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 銀行は、預金を集めて、他人に貸して収益を上げます。
 バブル崩壊まで、定期預金利息6〜8%の時代が結構続きました。10年で元金が2倍になる利息。
今やこんなおいしい商品はなかなかありません。なぜ当時は7%もの利息を付けられたのか? 
それはGDPが増えていたからです。

  GDP増加率(名目暦年 抜粋)
   1988年  7.6%
   1989年  7.7%
   1990年  7.7%
   1991年  6.4%   (内閣府SNAホームページより)

 経済が上向いているときは軌道に乗っている企業に貸し出しするリスクはあまりありません。
企業に8%で貸して、銀行が2%の利益を中抜きして、預金者には6%の利息を払います。でも、
今は倒産リスクが大きくて銀行は融資に慎重になりました。
 
 ◎ 融資から、社債・株式・増資
 
 ここ二十年で証券会社の窓口がもの凄く身近になりました。昔だと、証券会社に出向くか電話
するか、
あるいは上得意なら向こうからやってくるか、そういったルートでしか、社債とか株式を
買うことができませんでした。また一回の金額も100万単位200万単位が多かったように思います。
投資信託も一回50万円から20万円のものが数多く出てくるようになり、今では月1万円からなんて
のもあります。

 インターネットやテレホンバンキングで、少額の取引ができると同時に手数料も非常に安くなり
ました。なので企業の方も公募増資や社債を発行しやすくなったり、IPO(株式公開)なども証券
会社のHPからクリックするだけで申込み予約ができるようになりました。
 つまり、企業の資金調達の方法が銀行経由の間接融資から、直接融資へと変わってきているのです。
 
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●だからファンド
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 先日、駐車場経営のご相談がありました。(少し話がずれますがご容赦ください)

 駅前に駐車場が3つあります。
 
  ┏━━━━━┓
  ┃ ▼▲駅 ┃
  ┗━━━━━┛
    ┏━━━━┓    ┏━━━━┓      ┏━━━━┓
    ┃A駐車場┃    ┃B駐車場┃      ┃C駐車場┃
    ┗━━━━┛    ┗━━━━┛      ┗━━━━┛

   Aさんの駐車場 10台分・・・駅前
   Bさんの駐車場 10台分・・・道を挟んだ駅前
   Cさんの駐車場 10台分・・・少し離れたところ
 いま、どれも満車で空きはありません。利用台数30台です。
 
 もし、ガソリン代が上がって30台分の駐車スペースのうち、3台車を手放す人が出ればどうなる
でしょうか?AさんBさんCさんそれぞれの1割ずつ収益が減るでしょうか?
 そうではないですね。

 どれもが均等に1割減るのではなく、条件の悪いCさんのところだけが3割減ります。Aさんと
Bさんは影響がありません。でもCさんは大変です、賃料を下げるとかもう必死に営業努力が必要に
なります。
 市場が小さくなる時というのは、駐車場経営に限らず、どんな業界でもこれと同じ事が起こります。
条件の悪いところが大きな影響を受けることになります。

 今日本のGDPは500兆円あたりをうろうろしています、ほとんど伸びていません。中には縮小
している業界もあります。が、一方で伸びている業種や会社もありますね。こういったものに直接
融資するそのツールとしてファンドがあるわけです。
 市場全体が低迷している時はファンドは非常に不利です。ファンドはリスクが少ないなんて嘘です、
というか、これは上げ相場でのみしか言えません、下げ相場ではひとつが上がっても他が足を引っ
ぱるからです。それだけにファンド選び、つまり、どんな業界・企業に投資するファンドなのか、
これを十分に見きわめないと、手数料だけ取られた、さらには、元本がどんどん減っていく、なんて
ことになります。
 
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●でもファンド
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 今もの凄い数のファンドがあります。
 公募投信だけで3,200本、毎月30本ペースで増えています。しかし、これは!と言ったものは
あまりありません。投信会社が各販売ルート向けに同じようなモノを焼き直して商品化している
ような感じです。
 ただ、販売者側もかなり商品開発に積極的で、銀行=投信会社との連携話をよく聞くようになり
ました。私の印象としては「コンビニのお弁当開発」、みたいな印象です。
 
 過去、銀行や信用金庫が地域企業のお金の融通をしていました。しかし、情報網が発達し日本は
狭くなったと云うことと、銀行そのものがグローバル化していっていること、間接金融から直接金融
の流れを考えると、お金の融通は今までの銀行ルート(融資)と証券会社ルート(社債・株式・
ファンド)の二本立てで進むでしょう。また、銀行・証券の垣根もどんどんなくなっていますしね。
 全体の市場が大きくならないなら定期預金では利回りは稼げない(利息が増えない)ので、個別
への投資、個別の市場への投資と変わっていくはずです。これは個人の話だけではなく、投資企業
(銀行や保険、年金基金などの団体)でも同じです。
 
 ただファンドの最大のデメリットは、リスクが大きくなるという点です。定期預金は安全でした。
投資信託や株式・社債はリスクを伴います。最悪紙切れになります。10年で2倍(利回り7%)に
しようとすると、そのリスクを自分で判断しなきゃいけません。
 今後、いろいろな特色のあるファンドができてくると思います。今の金太郎飴のようなどこで買って
もあまり差がない、なんて言う状態はだんだん崩れてきて、「こんな特色がありますよ」というものが
増えてくると思います。
 そのためにどんな風に情報を収集し、どこに投資するか、先の駐車場の話では、AさんBさんの駐車
場だとそこそこ利益が出る、でもCさんは利益がでないどころか存続すら危うい。GDPが増えない安定
成長の時代は、そういった努力と判断が求められるということであります。
 
 ま、一言で言うと、簡単に儲けられる話はありませんよ、ってこと。

 あえて云いますと、リスクを取りたくない人はそれもアリだと思います。定期預金だけでも構わな
い。ただこれからの物価上昇を考えると、定期預金では目減りする、こういう時代に突入した、とい
うことは言えると思います。物価上昇リスクと投資リスク、このリスクのバランスをどうするか、
これを各個人で考える時代です。
 
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●リスクを具体的に数字にできる人
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 リスクの判断、頭ではなんとなく理解していても実際には難しいものです、だから数値化しま
しょう。
 今、当面使わない資金が1000万円あるとして、これを最悪でもどれだけ残したいか、この観点は
重要です。
 
 1000万円のうち、100万円を例えば株式系のファンドを購入して、5年後のリスクを
     最悪             最良
    ┏━━━━━━━━━━┓    ┏━━━━━━━━━━┓
    ┃−100%(つまり坊主)┃    ┃+100%(つまり2倍)┃
    ┗━━━━━━━━━━┛    ┗━━━━━━━━━━┛
と予想すると、100万円は将来 0〜200万円 になっていますよね。
900万円が現金のままなら、全体では 5年後 900万〜1100万です。
 
                   ┏━━━━━━━━┓    ┏━━━━━━━━┓
     1000万を1割投資なら  ┃最悪=900万 ┃    ┃最良=1100万┃
                   ┗━━━━━━━━┛    ┗━━━━━━━━┛
 
 次に、余剰資金1000万円を
                   ┏━━━━━━━━┓    ┏━━━━━━━━┓
     10割全額を投資すると   ┃最悪= 0   ┃    ┃最良=2000万┃
                   ┗━━━━━━━━┛    ┗━━━━━━━━┛

 この最悪の方を見るか最良の方を見るか、これが個々人のリスク許容度に関係します。自分がどれ
くらいの収益を狙うのか、私もそうですが、買う前は「上がる」ということしか考えないものです。
 まずは物価上昇に対抗できればいい、というのなら、資金の1割でいい、ということになります。
そして、予想外に下がってお買得になったのなら、さらに1割追加して利益を狙う、残りの資金が
あればこんな判断も状況に応じて可能です。
 10割投資なら最悪1000万円の損!、そして下がっても追加資金がない、なんてことになります。
単に上がってくるのを待つだけで、これではいつまで経っても利益が上がりません。

 ちなみに物価上昇を1%とすると5年間で5%、1000万円のうち50万円が目減りするという計算に
なります。 
 
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●「私に似合う服ください」
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  百貨店でお買い物する時に、例えば、
      「私に似合う服ください」とか
  スーパーで
      「今日の晩ご飯の材料ください」
   とか言って買い物しますか?
  
 投信相談では、「何かいいのないですか?」「どれがいいんですか?」
 こういう質問が圧倒的です。私から見るとですね、
  「私に似合う服ください」「今日の晩ご飯の材料ください」と言うのと同じなのです。
 本当なら答えられるわけがない。でも証券会社に投信購入で出向くと向こうはプロですから、
 「これなんかお奨めです」と言ってその時の旬の投信のパンフレットを持ってくるわけですね。
 
 どれくらい損しても良いのか、そして、どれくらい得するのか、これを上のように具体的に
数字にして、これに長期・短期を組み合わせて、ライフプランの資金の必要な時期を考えると
人生が充実するわけです。よく「殖えたお金で海外旅行」、なんて言う方が、「いつまで経っても
旅行できない」、という状況になったりします。

 お金は人生に役立ててこそ生きた使い方ができます。いくらお金があっても、自分の人生の足しに
なっていない方は全然羨ましくありません。同じ一万円でも有効に使える人とそうでない人がいます。
どうぞ皆様、自分の人生に有効になるように、しっかり準備してしっかり使って、人生をより豊かに
充実させてくだされば、と願っております。
 
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ここまでお読みくださりありがとうございます。
前回、次回は介護保険の話、なんて書いたのですが、それをすっかり忘れてファンドの話を
書いてしまいました。どうも済みません。
まだまだ残暑にもなっていませんが、皆さん、体調管理にはくれぐれもご注意ください。
次回、9月になって少しは涼しくなりましたね、なんて書けることを期待したいと思います。