「はい、昔は結構貰えたんですが、ちょうど家を建てた頃に会社の方針が変わって、ボーナスが会社業績でえらく変動するようになったんでとりあえずなしにしました。でも結局、日常の赤字の穴埋めになってます」

「そうですね、まだまだボーナス分は無視できない会社が多いですけど、将来はちょっと不安ですしね。ボーナスが赤字の穴埋め、と把握されているだけでもしっかり管理されていますよ」
　
「今度金利が上がるんですよ、今月々８万３千円の返済が、３万円上がるんですよね。手持ちの現金で繰上返済するかどうか。それから将来もっと金利が上がるんじゃないかと不安で不安で」
　
「そうですね、金利上昇の不安が嫌だからと固定金利に借り換えている方も大勢いらっしゃいます。ただ、借り換えられる人とそうでない人がいます。例えば、病気をしたので団体生命信用保険に入れないから借り換えられないとか、収入が足りないから審査が通らないとか」
　
「私も子供が出来て奥さんの収入がないので審査が苦しいと思います」
　
「そうでしたか。じゃ先に繰上返済のシミュレーションをしますね。でも先に言っておきますがこの結果だけで判断しないでください。
　
　　　　まず、今の返済額が金利0.9%で　¥83,294円、
　　　　これが、今度　　　金利3.0%で　¥112,634円
　　　　もし、200万円繰上返済すると、 ¥104,526円。

手数料等は含んでいません。
それから、　将来の利息がどれだけ得になるかというと110万。これは金利が3%のままだった場合です。
　
「200万一度に返すと、310万返すのと同じということですか」
「ま、そういうことですね」
「じゃやっぱり繰上だな」
　
「だから、これだけで判断しないでって言ったでしょう」
「と言うと？」
　
　
「２つあります。一つは、この資金200万は今の全財産ですか？それならやめといた方がいいですよ。　もし、何かあった時に身動き取れなくなります。例えば事故で車が全損したとかさせたとか、それとも１ヶ月入院とか。こう言う時にもし高金利で借金することになれば大損です。ま、中にはそんな不確実なものより確実な繰上返済って選ぶ方もいますがお奨めしません。」

「もう一つは、貴方のプラン、とくに養育費関係。まだお子さんが小さいですから十分考えた上で、その上で繰り上げするか貯蓄しておくか考えた方がいいです。というのは、住宅ローンの金利って教育ローンとか他のローンの金利より低いんです。だから後から高い金利で借金しないようにプランを立てておく。低い金利の200万を返したことで、高金利の400万を借りることになった。なんてことになればあまりよろしくない。」
「もっとも教育ローンとか車のローンとかは住宅に比べると返済期間が短いので一言では言えません。」
　
「いや難しいですね」
　
「さっき、200万が全財産ならやめときなさい、って言いましたけど、例えば、万が一の時は親から借金できるとかだったらあえて止めないかも」

「借金できないことはないんですだけど」

「なんだったら、親族間借金とか親からの生前贈与で繰り上げする、なんてプランも作れますよ。」「でも私は普通は、保険を見直して浮いた分を積み立てて将来の資金にするとか、貯蓄性の高い保険だったらそれを返済に回すとか。今すぐじゃなくても、将来金利が上がった時はそうしよう、なんてことを、他の計画ですね、例えば車の購入とか教育費とかいろいろお話しを聞いてからプランを考えています。」